ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝したジャパンチームは、日本の野球レベルの高さを示してくれた。予選リーグで日本を2度破った韓国も強かった。韓国が初王座に輝いてもおかしくなかった。
それに比べて、ふがいなさばかりが目立ったのが米国だ。大リーグのスター選手を揃えてのドリームチームだったのに、韓国、メキシコには破れ、あの勝ち越し点を取り消したデビットソン審判のアシストでやっと日本には勝利したが、実質的には日本にも負けていた。キューバ、プエルトリコ、ドミニカ共和国など南米の強豪国とは決勝まで対戦しないですむように組み合わせを自国に有利にし、審判も自国の審判で固めるなど、万全のお膳立てで望んだ大会だったのにである。
アメリカチームの強さを見せつけて、大リーグの観客動員数アップにつなげたかった大リーグ機構の営業的な思惑は大きく外れてしまい、野球の本場としてのプライドもズタズタになったことは想像に難くない。
コート姿で金メダルをわたす主催者代表は誰?
日本の優勝にわく決勝後の表彰式では、主催者である大リーグ機構関係者が日本選手ひとり一人の首に金メダルをかけていたが、選手に「おめでとう」と言葉をかけるわけでもなく、無言のまま、選手と目を合わせることもなく、ただ事務的にメダル授与を処理していた。
しかも驚いたことに、その主催者代表はコートをしっかりと着込んでいた。王監督に優勝トロフィーを手渡す際にもコートを着たままで、王監督に「こっちにこい」といわんばかりに手で指図していた。
表彰式の晴れがましい場でコート姿とは、なんと礼儀の知らない人なのだろうか。その傲慢な態度は、日本人を見下している証しのなのだろうか。優勝した日本選手や王監督に敬意を払っているとはとても思えなかった。
たとえば高校の卒業式で壇上に立ち生徒に卒業証書を渡す校長先生がコート姿だったら、どう思うだろう。「校長先生は寒くて大変なんだ」と考える生徒、父母は一人もいないはずだ。
このコート事件で、「アメリカを優勝させたかったのに、なんで日本なんかが」という大リーグ機構の腹の内、傲慢さがよめたような気がする。この大会が、次回も同じように開催させるかどうか未知数だと思う。営業上、利益にならないとすれば、大リーグは手を引いてしまうかもしれない。そうならないことを祈りたいが、大リーグ機構の考えひとつである。
疑惑の審判は米国優勝の請負人か!?
それにしても、米国戦で日本の決勝点をもぎ取ったデビットソン審判はすごい。米国ーメキシコ戦では、メキシコの選手が放った右翼ポール直撃のホームランを二塁打にしてしまった。
誤審といわれているが、違うような気がする。なんの根拠もない個人的な想像だが、アメリカに有利になるような判定を下すように大リーグ機構からの密命をうけた米国優勝の請負人だったのではないか。結果的に、超ルール的なスーパーファインプレーで日本とメキシコから1点ずつもぎ取ってしまった。ベンチで試合を見守っていた大リーガーたちも、この審判のジャッジに喜ぶどころか、あ然とし、同じアメリカ人として恥ずかしかったと思う。
米国が決勝まで勝ち残り、南米の強豪国と対戦する際には、デビットソンが主審を務めるという筋書きがあったのかも知れない。この疑惑の審判は、メジャーでいろいろ問題を起こし現在マイナーリーグの審判らしいが、請負人としてのご褒美はメジャー復帰だろうか。
シドニー五輪で金メダルを審判に奪われた日本ソフトボールチーム
今回の審判問題で思い出しのが、2000年9月に行われたシドニー五輪のソフトボール決勝だ。
米国と対戦した日本は、延長戦の末、1ー2でサヨナラ負けし、惜しくも銀メダルとなった。米国の強力打線をねじ伏せる高山の力投に大きな声援を送ったことを、いまでも覚えている。
7回までは抜群のコントロールを誇っていた高山だが、延長に入った8回、主審のストライクボールの判定から大きく崩れ、連打を浴びて、米国に決勝点を許してしまった。
主審を務めたのは白人だったが、国籍は覚えていない。この審判、7回までは、外角高めに決まる高山の投球をストライクと判定していたが、ところが延長の8回、突然その同じ球をボールと判定し始めたのだ。意図的なものを感じたのは私だけではなかったと思う。これには、高山も投手をリードするキャッチャーも頭の中がまっしろになったはずた。それまでより内角に甘く入ってきた球を、米国の選手が見逃すはずもなかった。
かつてヤクルトの野村監督(現・楽天監督)は、巨人に有利なジャッジを下す審判に対して「審判は心得ている」と話していたことがある。つまり試合の流れを決定づける肝心の場面での意図的な判定を皮肉ったものだが、金メダル確実と思われた日本のソフトボールチームも、あの審判の露骨な不正ジャッジで泣かされた。
スポーツに限らず、みんなが定めたルールの前では、人種や国籍を超えて、すべての選手が平等に扱われなければならないはずだが、そうなっていないことが残念だ。それだけに、大リーグ機構の思惑をくじき、WBC初代王座の栄冠を手にした日本チームの健闘はひときわ輝いているように思われる。
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