岩手町は、縄文時代や奈良・平安時代の遺跡が数多く発掘されるなど、農耕を中心に古くから栄えてきたことがうかがえる。その中心に位置する沼宮内は、江戸時代には奥州街道の宿場として藩の代官所が置かれるなど、この地域の中心としての歴史を刻んできた。
明治維新後も、国の出先機関が設置されるなど岩手郡の中心として重要な位置を占めてきた。同町の発展に大きな役割は果たした東北本線沼宮内駅が開業したのは明治24(1891)年で、県北の物資輸送の拠点として最盛期には70人の駅員が勤務し、木材、野菜、木炭などの輸送で大いににぎわったという。沼宮内町、御堂村、川口村、一方井村の1町3村が合併し、現在の岩手町が誕生したのは昭和30(1955)年のことである。
平安時代に坂上田村麻呂が祈願所として建立した御堂観音。その深閑とした境内には、北上川の源泉「弓弭(ゆはず)の泉」がある。この弓弭の泉には、前九年の役(1051〜1062年)で進軍した源義家が弓弭を持って岩にさしたところ、清水が湧き出て炎天下に苦しむ兵馬を救ったという言い伝えが残されている。
彫刻とホッケーのまち
また同町は「彫刻のあるまち」「ホッケーのまち」としても知られる。昭和48年から続いている国際石彫シンポジウムは国内一の歴史を誇り、平成5年には、野外彫刻美術館として石神の丘美術館が開館。一方、町は昭和45年の岩手国体でホッケー会場となったことからホッケー競技を町技として普及させ、沼宮内高校の数々の全国優勝とともに、全日本選手を多数輩出するなど輝かしい伝統を積み重ねている。
待望の東北新幹線盛岡・八戸間が平成14年12月1日に開業。停車駅のいわて沼宮内駅を擁する岩手町では広域交流、観光情報発信の拠点となる駅ビル・岩手広域交流センター「プラザあい」を完成させるなど、新幹線時代にふさわしいまちづくりを推進し、久慈市、西根町、盛岡市の中間に位置する地の利を生かしたさらなる発展に期待を高めた。
国道4号沿いには、新たな観光拠点として道の駅「石神の丘」がオープン。町を一望する高台にあって、新鮮な野菜や花きを販売する産直施設や地元の食材をたっぷりと使ったレストランなどが人気を呼んでいる。あわせて石神の丘美術館はギャラリーと工房を新設し、新たな彫刻美術館として生まれ変わり、県内外からの多くの見学客を集めている。

道の駅「石神の丘」。遠くに東北新幹線いわて沼宮内駅が見える










